最後のお部屋~骨壺のお話し~

のぼりとの杜コラム

今回は骨壺のお話しを。
日本では人は亡くなると99.9%火葬をしてお骨になります。骨壺(収骨容器とも呼んだりします)はその名の通り、お骨を収める壺です。

骨壺は地域によっても大きさが異なります。
関東では6寸や7寸サイズの骨壺を使用し、全部のお骨を収めます。関西地方では喉仏を中心とした一部のお骨のみを収骨するので骨壺のサイズが小さいものになります。関西のお墓のお骨を納める入口(カロートといいます)も小さく作られれているので、関東で火葬をして関西のお墓に納める方は収骨の際に骨壺の大きさに注意が必要なケースがあります。葬儀社の担当者にその旨をしっかり伝えてください。関東の7寸サイズに収めていざ、関西のお墓に納めようとしたら入らない(>_<)なんてお話しも耳にするんです。(しっかりとした葬儀社であればお墓のこともきちんとヒアリングしてくれるはずです。)
私の出身地の新潟地方は骨壺ではなく八角形の骨木箱に納めます。納骨の際はカロートからお骨のみを土に還していきます。この仕事を始めて骨壺の存在を知りました(;^_^A

また、最近では供養の形も多様化しているのでお墓ではなく海洋散骨や樹木葬を選択する方も多いです。お墓に納骨と違いお骨が残りませんので少しだけお骨を残し、お手元のすぐそばに置いて供養する手元供養として小さな骨壺を用意しお骨を分けることも可能です。(お骨を加工したペンダントなども作れます)
大きさだけでなく種類も豊富です。一般的な白い瀬戸の骨壺や花柄の骨壺、瑠璃や鳳凰の絵柄、パール調や伝統工芸の九谷焼、大理石、オニキスまでもあります。

最終的なお骨の供養の形はそれぞれですが、骨壺(または地域によっては骨箱)には棺ともども、おそらく誰もが一度は入ります。そしてお墓という仏のお家に入る方は自分のお部屋として使用するのが骨壺です。ある意味、本当に最後の終の棲家なのではないでしょうか。
この先、ずっと住み続けるお部屋の骨壺です。お葬式の打ち合わせや準備の際には故人様が喜ぶであろう骨壺を考えてあげていただくとよいかもしれません。
もちろん、自分の骨壺はどんなものがいいかなぁ…なんて考えてみるのも終活のひとつです。